なぜ松下幸之助は小さな電器店の経営者たちを前に号泣したのか?

 

幸之助がどのように話したか解説します。

  1. 当社の信念の乏しいこと、考えの至らないことが原因
  2. 喜んで売れる商品の製造
  3. 販売の喜びを持てる販売網
  4. 販売店への苦労に対する

販売店との対立ではなく、自社の至らなさに対する自責の念を述べ涙したのです。この涙は、販売店だけではなく、社員に対しての思いのあらわれであったように感じます。難局にあって、相手を責めても打開策は生まれません。にもかかわらず、相手が悪い的な発言に終始した社員に対して情けない気持ちになったんではないかと思われます。そして、会長職にありながら、販売店担当部長として、先頭指揮を執って、この難局を打開するのです。

責任は我にあり」。この考え方ができないようでは、経営者として失格です。マネージャーとしても失格でしょう。結局は、自分しか変えることはできません。自分以外に焦点を当てても仕方が無いのです。自分で変えることができるのは自分だけなのです。つまり、相手の話を聞いて、謙虚に受けとめ、反省し、改善策を講じる。できることをやるしかないのです!

ところが、責任を転嫁したがります。自分は正しく、相手は悪い。このような思考では、何も生まないどころか、相手との溝を深くするのです。改善にはならず、改悪となります。素直さと謙虚さが、肝要なのです。さすが、経営の神様です。

2日間、ジックリみんなの発言を聞き、現状を把握し、対応策を考え、その上で、まずは非を詫びることを選択したのです。そして、一緒になって打開していこうと、自分が先頭に立って行動したのです。もう、この時点で問題解決できているのです!

会長職だったからなのか、幸之助が凄いのか、客観的に判断し、どのようにすれば解決できるのか考え、判断しています。

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