対ミサイルシェルター設置を渋る政府関係者に軍事アナリストが苦言

 

まず、標的になる可能性の高い東京、大阪、福岡などの大都市の中心部の地下街と地下鉄駅の活用、それらの都市の学校、学校の体育館の避難機能を強化するのです。

東京、大阪の中心部は、政治的なインパクトが大きいことから標的になりやすい。福岡は朝鮮半島に近いことから目標に選ばれやすい。

その場合、まずは通常弾頭の弾道ミサイルの破片効果に耐えられる避難機能を備えることにします。直撃弾に耐える構造の避難施設は、そう簡単には整備できないからです。

これには、2人の死者を出したものの湾岸戦争でイラクからの弾道ミサイル(スカッドの射程延伸型のアル・フセイン)39発に耐え,現在も武装勢力がレバノン南部やガザ地区から発射するロケット弾の攻撃に備えているイスラエルのレベルで考えればよいと思います。

北朝鮮が自滅覚悟で発射しない限りは起こりえない化学兵器や、まして核弾頭は除外しておくことにします。

優先順位とは、そのようにして決めていくものです。

学校や学校の体育館の避難機能はイスラエルのレベルで考えるとして、地下街や地下鉄の駅については入口を大幅に改造することで対応するのが現実的でしょう。

韓国ソウルの中心部の地下鉄の駅の入口は広く設計されています。これは北朝鮮の砲撃とミサイル攻撃を前提とした避難訓練を1ヵ月に2回ずつ実施してきた結果ですが、これだと殺到してくる避難者を必要な時間内に収容することができます。

それに引き替え、日本の地下鉄駅の入口は極端に狭く避難者が殺到したら圧死者が出る恐れが大きいのです。

日本の地下鉄駅でも、上野駅の地下鉄入口(日比谷線)は広く、緩やかなスロープになっており、参考になるのではないかと思います。

この程度のことを、さっと「頭の体操」としてイメージできなければ、政府関係者、特にキャリア官僚は失格です。

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