「クリームパン」誕生のきっかけは、あのスイーツだった

 

どこか懐かしい食べ物を愛情込めて紹介する無料メルマガ『郷愁の食物誌』。今回は、著者のUNCLE TELLさんが、おやつの定番「クリームパン」と「ジャムパン」の誕生秘話を紹介しています。最近は少し他の菓子パンに押され気味ですが、これを読んだらきっと食べたくなりますよ。

クリームパンとジャムパン

クリームパンは、明治38年(1905)、またジャムパンは、明治33年(1900年)に、それぞれ登場しているから、まさに一世紀の歴史を刻んでいるわけである。そういう意味でも、あんパンとともに日本における菓子パン発達の軸になった三巨頭(!)であるわけである。

しかし、現代のように菓子パンも発展し、バラエティに富み、新顔も続々登場してくるとなると、消費者の好みもより多様化しグレードの高いものへ。相対的にその比重も低下するのも致し方ない。クリームパンとジャムパン、というわけでやはり売り場での影はかなり薄くなっている。クリームパンはまあまあ見かけるがジャムパンは目にすることが少なくなっている。ジャムパンなど、あまりに今の世ではシンプル過ぎるのかもしれない。人々特に若い人はより高級志向、パンについても美味・複雑多様な味を求めているのであろう。

としても、ジャムパンはともかくクリームパンは菓子パン中の名作傑作。パンの地とあんともいうべきクリームが実にぴったりフィットしてうまいのである。最初に売りだした東京・中村屋がクリームパンで財をなしたとしても不思議ではない。

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