2万2千ベクレルの衝撃。国内最悪の内部被爆を各紙はどう報じたか

 

伝票が見つからない…?

【読売】は1面中央に事実を伝える小さめの記事。関連で3面の解説記事「スキャナー」と30面社会面。まずは見出しから。

1面

  • 内部被曝 4人に 最大2万2,000ベクレル

3面

  • 内部被曝 甘い安全意識
  • 原子力機構
  • 非密閉型の作業台■マスクにすき間
  • 内部被曝年間1.2シーベルト 国内最悪の線量

30面

  • 核燃料物質 保管期間把握せず
  • 原子力機構 管理履歴も不明

uttiiの眼

《読売》が強調するのは、作業の安全対策だけでなく、「保管物質の管理体制がそもそもずさんだったのではないかという点。今回事故を引き起こした核燃料物質の保管をいつ始めたのか、管理履歴はどうだったのかなど、把握されていなかったのだという。

会見の場で機構の責任者は、91年に現在の状態で棟内に置かれていたことは確認できているが、その後、中身を確認したかどうかについて、伝票は残っているのだが、電子化されておらず、記録が見つからないという。

《朝日》の記事だと「26年間チェックしていない」ことになっていて、もちろん、それ自体酷い話だと思うが、《読売》の方は「26年間チェックしたかどうか、残っている紙の伝票をチェックしてみないと、分からない。その伝票が見つからない」という意味のようで、一層、もの凄い話に見えてくる。事務所はゴミ屋敷のようになっているのだろうか…。とてもじゃないが、核燃料というような危険なものを扱える組織ではないと断言してもよさそうだ。91年からなにもしていなかったのだとすれば、死者2人を出した99年の東海村JCO臨界事故のあとも、なにもしなかったことになり、その爛れきった組織の有り様には、背筋が凍る思いがする。

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