2万2千ベクレルの衝撃。国内最悪の内部被爆を各紙はどう報じたか

 

ヘリウムガスが溜まっていた?

【毎日】も《読売》と同じように、1面中央付近に短い記事。関連で2面と社会面にも。見出しから。

1面

  • 内部被ばく 作業員4人に
  • 最大2.2万ベクレル 管理体制を調査 原子力機構

2面

  • 機構・内部被ばく2.2万ベクレル
  • 保管26年 ガス発生か
  • 点検最初の袋破裂
  • 体外排出まで影響

27面

  • 原子力機構被ばく 住民「慎重に作業を」

uttiiの眼

1面記事には、作業員の3人からはプルトニウムではなくアメリシウム241が検出されたと書いてある。プルトニウムの毒性は論外だが、アメリシウム241も半減期が400年以上あり、体内にとどまればずっとアルファ線を出し続けることになるはず。

2面記事は、今回飛散した粉末が、敷地内にある高速実験炉「常陽で使う燃料の試料を作った際に出た屑であって、約300グラムのもの。そして今回の点検作業は、機構の別の施設で核燃料物質が不適切に管理されていたことを原子力規制委から指摘されたことに伴い、実施されたものだったという(《朝日》の項目を参照)。

また、ビニール袋が破裂した原因について専門家は、「ウランやプルトニウムは時間が経つと原子核が崩壊し、ヘリウムの原子核(アルファ線)が飛び出す。長期間保管したことによりヘリウムガスが溜まり破裂した可能性があるという。

逆に言うと、規制委からの指摘がなければ、こんなことになっていることも分からなかったわけで、さらに長期間同じ状態で保管し続けていたら何が起こっていたか、想像もできない。

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