LINE全盛のいま、メールマガジンは本当にオワコンなのか?

 

LINEは確かに手軽ですし、既読の管理も簡単ですし、一日あたりの使用時間も長いので読んでもらい易い媒体だといえるでしょう。でもね、LINEで長い文章を読むのはムリですよね。このメールマガジンって、本文が毎回だいたい1,500文字くらいあるんですよ。前フリや、ヘッダー、フッターは除いてね。これをLINEで読めって言われたら苦痛ですよ。

そもそもメールマガジンって、文章を読んでもらうものですから。明滅する印象を操作する媒体ではなくて、じっくりと読んでもらって納得してもらう媒体なんですね。ですから必然的に長文になることが多いんです。特に有料メールマガジンは、ボリュームでお得感を出そうとしているところがほとんどなので、一回の配信では送信できる文字数をオーバーしてしまい、パート1、パート2、パート3みたいに分割して送って来るところが多いんです。これを全部読もうとしたら結構な時間が掛かりますよ。

作家の佐藤優氏のメールマガジンなんて、長い時にはテキストで200キロバイト(文字数で4万文字を超えます)を超える時があって、さすがの私でも読み終わるのに5分以上掛かりますから。こんなのLINEで読めるわけがないんです。

つまり何が言いたいのかというと、メールマガジンとLINEとでは住んでいる世界が最初から違っているのです。そこを考慮せずに、メールマガジンはダメだけどLINEならイケるよ、と考えるのは間違っているのです。

メールマガジンとLINEの特質の違いについて書いてみました。この違いを理解出来ると、

■ メールマガジンはオワコンだから、これからはLINEだよ

という思考は間違っていることに気付くはずです。メールマガジンは多少長くてもじっくり読んでもらいたいというコンテンツを乗せるビークルで、LINEは手短に軽い情報を伝えるのに適したビークルなんですね。

あ、全くの余談ですがそもそもオワコンって表現も完全に間違っているんですよ。オワコンって「終わったコンテンツ」のことで、メールマガジンやLINEはコンテンツではなくてコンテンツを乗せる乗り物(ビークル)ですから。つまり「このビークルに何を乗せるのかを考える必要があるのです。乗せるコンテンツによってメールマガジンがふさわしいのか、LINEの方がふさわしいのかという議論になるはずなんですよ。

つまり、最も大事なのは乗せるコンテンツのクオリティーだということです。

メールマガジンがブームになった時だって、つまらない内容(コンテンツ)のものはすぐに解除されていたんですから。反対に読んで面白いと思われるものは長く続きますし、中にはおカネをもらって有料で配信するものだってあるんですから。おカネをもらっているのにつまらなかったら、そりゃ止めちゃいますよね。

有料、無料に関係なく、読んで面白いもの、勉強になるもの、役に立つものは長く続くんです。私も長いヤツは10年以上購読していますからね。

確かにメールマガジンという媒体は以前のような活況を呈している状態とはいえないでしょう。でもそこに価値を見出して、コンテンツを厳選して読んでいる読者さんっていくらでもいるんです。消えて行ったのは流行に乗せられてやって来た浮ついた発行者と、流行に乗っただけの読者さんなんです。ホワイトカラーで、仕事でPCを使う機会が多い会社のメールアカウントで登録が出来るというタイプの人達の情報収集ツールとして、メールマガジンという媒体は今でも有効ですし、役に立っているんです。

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