これまで世界経済を牽引してきた国々が軒並み青息吐息となる中、次なる経済大国として注目を集めるインド。現在はGDP世界第7位ですが、10年後には第3位の日本を抜き去るのではないかと目されています。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で世界情勢に詳しい北野幸伯さんが、インドと日米露中との関係について、複雑に絡み合う各国の「思惑の糸」をほどくが如くわかりやすく解説しています。
愛されるインド、なぜ日米、中ロと同時に仲良くできるのか?
アメリカのトランプ大統領とインドのモディ首相が、初めて会いました。二人は、かなり仲良しになったそうです。
新たな「ブロマンス」? 初の米印首脳会談で友好関係を演出
6/27(火)17:11配信
【AFP=時事】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領とインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は26日、米ホワイトハウス(White House)で初の首脳会談を行った。
直後の記者会見では、報道陣の前で何度も抱き合うなど「ブロマンス」(ブラザーとロマンスをかけた造語)と言える親密ぶりをアピールした。
トランプさんは、「感情が素直に出てしまう」ことで知られています。握手した安倍さんの手を離さなかったり。メルケルさんとの握手を拒否したり。モディさんと、「何度も抱き合う」というのは、よほどのことです。
何はともあれ、トランプさんとモディさんで、米印関係は良好。
長年同盟関係にある国の一部とは前途多難なスタートを迎えたトランプ氏だが、モディ首相とは初対面から意気投合したようだ。
(同上)
日米、中ロと仲がいいインド
「米印関係は良好」
そして、皆さんご存知のように、日本とインドの関係もとても良い。さらに、インドは、プーチン・ロシアとの関係もいい。中国との関係は、日米ロほど近くはない。それでも中印共に、関係が改善されるよう、努力しています。その証拠に、先日「歴史的」とも言える出来事がありました。
インドとパキスタンが上海協力機構に正式加盟
時事=AFP 6/10(土)18:08配信
【AFP=時事】カシミール(Kashmir)地方の領有権をめぐり対立しているインドとパキスタンが9日、中国とロシアが主導する安全保障会議「上海協力機構(SCO)」に正式に加盟した。カザフスタンの首都アスタナ(Astana)で開かれた年次首脳会議で、両国の加盟が承認された。
皆さんご存知のように、SCOは、中国とロシアが主導する、「世界の多極化を推進するための」組織です。別の言葉で、「アメリカの一極支配をぶち壊すための」組織。それで私は、SCOを「反米の砦」と呼んでいます。
「反米の砦」にインドは入った。つまり、インドは、中国、ロシアと良好な関係にある。そして、もっと驚くべきことに、「反米の砦に入っても」アメリカと良好な関係にある。なぜ、そんなことが可能なのでしょうか???