世界の「成長センター」インド
皆さんご存知のように、日本、アメリカ、EUは、軒並み「成熟期」。高度成長時代は、大昔に過ぎ去り、「低成長時代」がつづいている。
「高成長の代名詞」といえば、1990年以降、中国でした。しかし、この国も、成長が大幅に鈍化している。そう、中国は、「成長期後期」にある。中国が今のような状況になること、RPEの読者さんは、12年前からわかっていました。05年に出版した『ボロボロになった覇権国家』には、
中国は、08年~10年の危機を短期間で乗り切って成長をつづける。しかし、2010年からは「成長期後期」に入るので成長は鈍化していく。成長は、2020年頃までつづく。
と書いてあった。今、まさにそういう方向で動いています。
さて、日米欧中経済の未来は、全体的に「明るくない」。そして、中国にかわって「世界の成長センター」になっているのがインドなのです。インドのGDPは、現在世界7位。しかし、10年後は、日本を抜き世界3位に浮上していることでしょう。
もっと重要なこと。インドの「一人当たり」GDPは、なんと1,723ドルで144位。平均月収は、だいたい1万6,000円ぐらいでしょう。つまり、インドは、「まだまだ貧しい」。別の言葉で、「成長期前期」にある。
GDP成長率を見てみましょう。
- 2009年:8.48%
- 2010年:10.26%
- 2011年:6.64%
- 2012年:5.48%
- 2013年:6.54%
- 2014年:7.18%
- 2015年:7.93%
- 2016年:6.83%
こう見ると、インドは「100年に1度の大不況」の影響を「ほとんど受けなかった国」と言えるでしょう。
いま、日本、アメリカ、欧州、ロシア、その他の国々が、「経済に関して、中国の魅力は年々失われている。これからはインドの時代だ!」と確信している。それで、敵対しがちなアメリカと中ロが、「インドと仲良くするために」競争しているような状態なのです。