ドンキが買収失敗。オリジン弁当が利益拡大で助けたイオンに恩返し

 

オリジン東秀は売上高や店舗数といった規模を拡大することよりも利益率を高めることに重点を置いてきたようです。商品力の向上や不採算店の閉鎖、原価低減、経費節減といった施策により利益率を高めていきました。

そうした努力が実り、本業の儲けを示す営業利益は大きく伸びています。リーマンショック後の2009年1月期の営業利益は8億2400万円、売上高営業利益率は1.7%にしか過ぎませんでしたが、2017年2月期は24億8200万円(前年比9.1%増)、売上高営業利益率は5.2%と高い数値を示しています。規模は横ばいですが、儲ける力は高まっている状況です。

オリジン東秀 copy

業態転換を優先させていることも、規模が拡大していない理由の一つとなっています。主力だった「オリジン弁当」を、働く女性をターゲットにした弁当・惣菜店「キッチンオリジン」へ転換を推し進めています。

キッチンオリジンは2014年2月に東京・池袋で1号店が誕生しました。量り売りの惣菜やサラダ、女性向けの弁当やスープ、スイーツ、サンドイッチ、麺類などが充実しています。店舗によっては挽きたてのコーヒーやイートインスペースもあります。

オリジン東秀はオリジン弁当のキッチンオリジンへの転換を推し進めています。背景には、働く女性が増えていることがあります。仕事を終えて帰宅する際に、調理済みの料理を買って食べたいと思う女性が増えていきました。ただ、オリジン弁当ではそういった女性のニーズを必ずしも十分に満たしていたとは言えませんでした。

オリジン弁当のピンクをイメージカラーとした店舗の外観や経年劣化した店舗は、ターゲットとなる女性が好むとは言い難い面がありました。そこでキッチンオリジンでは、店舗の外観は茶色と白を基調とし、内装や什器は女性目線で設計し、女性でも利用しやすい店舗にしました。多くの店舗が24時間営業で、夜遅くに帰宅する人でも利用できるようになっています。

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