タカタも米国にハメられた?リコール問題に残る不可解な事実

 

タカタのエアバック問題の不可解さ

このタカタの大量リコール問題も、実は不可解な点だらけなのです。

この問題の経緯は次の通りです。

2013年4月に、タカタが取引先の各自動車メーカーにエアバックの不具合を通知しました。ガス発生剤の加圧力不足と、高湿度により、エアバック作動時に金属片が飛び散る恐れがある、という内容でした。

これは、製造段階でのミスということです。これを受けてタカタのエアバックを使用している各自動車メーカーはリコールを届け出たのです。

つまり、この段階では、タカタが製造ミスに気付き自発的にリコールを行なったのです。

が、このタカタの自発的なリコール以降、不可解なことに、アメリカでタカタのエアバックが暴発して死者が出る事故が頻発するようになったのです。

これらの事故の大半は、交通事故時のものでした。だから、自動車の衝突が原因なのか、エアバックの暴発が原因かは、なかなか判別ができないのです。事故の原因が明確にエアバックの欠陥によるものと判明したケースはほとんどないのです。

ちなみに日本ではタカタ製のエアバック暴発による死亡事故は発生していません(怪我を負った事故は、現在のところ2件発生しています)。日本では、アメリカよりもはるかに多くのタカタ製エアバック車が走っているというのに、です。

タカタのエアバックは、アメリカの運輸当局が求める性能基準は満たしており、アメリカの運輸当局も、これを覆す証拠は見つけていません。

にもかかわらず、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、タカタに2014年6月以降、タカタに対し、全米でのリコールに応じるよう求めました。

しかし、タカタは「欠陥が科学的に立証されておらず暴発事故も高温多湿地域に限られる」として、これを拒否してきたのです。

アメリカでの事故車の多くが、かなり古い車であり、しかも高温多湿地域が多かったのです。なので、タカタは原因は「経年劣化」だと判断していました。

現在、エアバックには使用年数などの規定がありません。だから、古くなったものをチェックしたり交換したりする制度が、どこの国もないのです。

タカタのエアバック暴発事故はこの経年劣化が大きな要因と考えられています。

タカタは、製造段階では、アメリカや世界各国の安全基準はクリアしていたのです。

が、アメリカのアメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、タカタに対し、執拗にリコールを要求し、しかも対象となる車種は雪だるま式に膨らんでいきました

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