辻褄が合う。加計問題で「京産大」が締め出された不可解な理由

 

さぞかし文科省は悩ましいだろう。総理が「腹心の友」のために決めた獣医学部の新設。政府の一員として、設置認可を下ろさないわけにはいかない。しかしこれだけ社会的に問題になっている加計学園の獣医学部である。しかも前事務次官は「行政が歪められた」と言っている。

そんななか、審議会がいい加減だと思われるような審査をしてしまったら今後の信頼性が問題になってしまう。

一方、官邸は京産大の会見内容にひと息ついたかもしれない。京産大は自ら納得して降りたのであって、公平性への不満を持っていない、したがって大学の提案内容の比較は意味がない、と世間一般に吹聴するには好都合であろう。

友を大切にする安倍首相のこと、ここで加計学園の獣医学部新設を白紙にするという冷徹な手段はとれない。文科省の設置認可へ向けて、さらに睨みをきかせてくるに違いない。

だが、安倍首相は目下、内閣支持率が下げ止まらない恐怖のなかにいる。

権力者を自壊させるのは、私的な感情である。韓国の前大統領も、自分自身の情の囚われ人だった。

国民不在の「安倍仲良し王国」。その弊害は、ようやく広い世間に知られるところとなり、土台のあちこちが軋み始めている。

 

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記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。その実態を抉り出し、新聞記事の細部に宿る官製情報のウソを暴くとともに、官とメディアの構造改革を提言したい。

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