では、最後に。
劉暁波氏を偲び、彼が2009年に書き、2010年のノーベル平和賞の授賞式で読み上げられた、文章を紹介します。
私には敵はいないし、恨みもない。私を監視する人も、取り調べる警察官も、起訴する検察官も、判決を言い渡す裁判官も、皆、私の敵ではない。私は彼らの仕事と人格を尊重する。恨みは個人の知恵や良識をむしばみ、社会の寛容性や人間性を壊し、1つの国家が自由で民主的なものへと向かうことを阻む。
私は望んでいる。私の国が表現の自由のある場所となり、異なる価値観や信仰、政治的な考え方が共存できるようになることを。私は望んでいる。私が、中国で、文章を理由に刑務所に入る最後の被害者となることを、そして、今後、言論を理由に罪とされる人がいなくなることを。
(河合薫さんのメルマガ『デキる男は尻がイイ–河合薫の『社会の窓』』2017/07/19号より。毎号確実にお読みになりたい方は、初月無料のご購読をお願いします)
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