イヌ・サル・キジとともに鬼を退治した桃太郎。しかし彼の「真の目的」は、そもそも鬼を懲らしめることだったのでしょうか。無料メルマガ『MBA流 大人の学ぶ技術』の著者・若林計志さんは、誰でも知っているこの物語を読み解きつつ、「手段」と「目的」を取り違えないことがビジネスパーソンにとっていかに重要かを記しています。
童話でわかる経営戦略入門
「桃太郎」といえば、私の地元岡山の「吉備津神社・吉備津彦神社」が発祥と言われています。というのも、古事記に吉備津彦命が温羅(鬼)退治するエピソードがあり、それが元になっていると言われているからです。
それはさておき、今回は「桃太郎」をベースに経営戦略を考えたいと思います。
桃太郎の「目的(ビジョン)」は何だったか?
桃太郎のストーリーはみんなご存知かと思いますが、そもそも何のために鬼ヶ島に乗り込んだのでしょうか?
- 鬼を懲らしめるため?
- 鬼を退治するため?
- 村人の不満を解消するため?
どれも間違いではありませんが、これらは「手段」です。「桃太郎」の歌詞を見てみるとヒントがあります。
● 桃太郎
答えは…
- 鬼にぶんどられた財産を村人に返す
- その結果として平和な村を実現する
です。これが本来の目的であれば、必ずしも鬼をやっつける必要はありません。鬼を何とか説得して全面降伏させたり、無血開城させて平和の道に協力してもらうことも選択肢としてありなのです。
鬼の方にも何か事情があるとすれば、それに「同意」しなくても「理解」することで柔軟な解決思考が生まれます。
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