なぜ信州のスローフード「おやき」が、全国区の味になったのか?

 

信州おやきは名物へ

sw14993262341149おやきが全県的に広がったというのは、作り方が容易で一般家庭に普及したというよりは、店で売る商品として好評でヒットしたからである。”信州名物おやき”は、かくたる次第で、信州のどこへ行っても売っていて、貴重な観光資源にもなっている。

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信州の各市町村がその物産を持ち寄る市が毎年、長野・松本で開かれている。(松本では今も続いているが、長野市では途絶えたかもしれない。)そこでもむろんおやきも登場する。町々村々でみな、おやきの製法等が異なっていて面白い。昔ながら各地で作られたという麦焼き餅、ソバ焼き餅も分類すればおやきなのだろう。

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長野県短期大学教授(現名誉教授)の三田コトさんによれば、日経新聞に、「信州のおやき」・愛情こめた「スローフード」と紹介されたことがあったとのこと。地域で採れる食材をおいしくつくる工夫をし、手間を惜しまず作られてきた郷土食おやきが内容の良い記事で全国版に載って良かったと喜んでいた。三田さんによれば、この種の食べものは、名前こそ違え昔から全国にあったといい、その食べもの”おやき”が生き残った県が信州だというのである。

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切り干し大根のおやき、鉄火ナスのおやき、丸ナス輪切りのおやきなど、実にユニークでおいしく好きだ。おやきは、1983年(昭和58年)、長野県選択無形民俗文化財の「味の文化財」のひとつとして指定されている。

写真提供:長野県観光機構

image by: Shutterstock

※本記事はジモトのココロに掲載された記事です(2017年7月11日)

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団塊の世代以上には懐かしい郷愁の食べものたちをこよなく愛おしむエッセイです。それは祭りや縁日のアセチレン灯の下で食べた綿飴・イカ焼き・ラムネ、学校給食や帰りの駄菓子屋で食べたクジ菓子などなど。

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