日本海で北朝鮮の海賊が違法操業。日本の漁師「このまま乗っ取られる」

 

それでは「理由は何か?」と質されたが、なかなか理由が浮かんでこない。そこで、「これは北朝鮮の水産会社で働く従業員たちのいたずら・反抗によるものではないか」と答えたところ、彼らは「納得がいかない」と言うような表情を示したが、この説明は正しかったことはその後、中朝国境踏査の調査の時に、吉林省・延吉市の西市場で北朝鮮から水産物を輸入している朝鮮族の業者が、「あなたの説明は間違っていない」とのことであった。

今から10年以上も前までは北朝鮮は日本に水産物を大量に輸出して外貨を稼いでいたが、北朝鮮の水産会社では責任者が職場の従業員に「この魚は日本に輸出して貴重な外貨を稼ぐ貴重なものである。粗末に扱うでないぞ」と厳命していたが、従業員にしてみれば「自分たちもこの魚を食べたいが食べるな」と言われ、しかも「日本は悪い国である。それなのにこの魚を日本人に食べさせるのか、癪に障るではないか、何かしてやろう」という雰囲気が職場にあり、そのとばっちりがハタハタに向けられたとのことであった。

この当時は北朝鮮では食卓に海の魚が食卓に上る家庭は少なかった。それが、北朝鮮の食糧不足と栄養失調などが取りざたされるようになり、金正恩は海の魚をもっと摂取すること(特に動物性たんぱく質の補給のため)を奨励し、漁業関係者に漁獲を増やすことを命じた。これに利益を得たのが漁師である。北朝鮮で漁師といえば、核心階層・動揺階層・敵対階層の中では敵対階層などに属していたが、上からの命令により漁業分野が脚光を浴びるようになり、漁師たちは時ならぬ恩恵をあずかるようになった

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