北朝鮮をナメる日本が知らない「電磁パルス攻撃」の恐ろしさ

 

各種メディアで連日報じられている北朝鮮問題。多くの政治家や専門家は、対話や平和的解決を呼びかけています。しかし、無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さんは、「多くの日本の政治家とマスコミはお花畑状態だ」と厳しく批判。さらに北朝鮮が示唆しているという「電磁パルス攻撃(EMP攻撃)」の恐ろしさについても詳しく記しています。

国防の最大の弱点は国会とマスコミ

北朝鮮が「水爆実験」を実施し、半島有事はいよいよもって最終段階に入りつつあります。国連安保理の決議違反であり、また米国の「選択肢」を減らす行為で、むしろ追い詰められているのは米国

もちろん、米国にとっては体制の危機のレベルではありませんが、超大国米国への信頼と恐怖が揺らぐからです。脅しとか睨みというのは、恐怖を背景にしているから通じるのであって、攻撃してこないことがわかれば、無視すれば良いだけのこと。檻の中のライオンや虎が与えるのは、観賞用としての恐怖だけで、夜中に現れるゴキブリよりも可愛いものです。

それはオバマ前大統領が証明して見せたこと。以下は2017年4月5日付の「ニューズウィーク」の記事の引用。

シリアのアサド政権は、反体制武装勢力に対して何度も化学兵器を使ってきた。それが再び使われたのは、アサドに対する武力攻撃まで約束しながら実行しなかったオバマのせい(略)

オバマ前大統領による、いわゆる「レッドライン」宣言で、化学兵器を使用したら軍事介入するといっていたにも関わらず、使ってもスルー。ロシアのウクライナ侵攻にせよ、中国の海洋進出も、みな「オバマは腰抜け」と足下を見られたことによります。

北朝鮮に対して、このまま手をこまねいていたらトランプ大統領も同じ評価を受けることでしょう。

優秀なビジネスパーソンでもあるトランプ大統領のこと。それが米国の国益に適うのなら、詭弁を弄しても北朝鮮のミサイル開発や核開発を見逃すでしょうが、シリアやロシア、中国と決定的に異なるのは、北朝鮮は米国を攻撃すると宣言していることです。

偶発的にせよ、それを装ったにせよ、罪なき米国国民が傷つくことがあれば米国世論が沸騰します。その時、トランプ氏にも政権にも議会にもそれを止めることはできません。

そしてあえて不気味なことを言えば、まず自国に被害が出るように仕向けることは、米国が戦争を仕掛けるときの常套手段です。日本の暗号をすべて解読しながら、真珠湾攻撃を放置したようにです。

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