私自身、我を通すことの多い息子たちを、家庭や学校以外の場所で教育して欲しいと思ったことは何度もあります。大学生ともなると家庭で親が指示できる範囲は激減して、子どもたちは好きなことを好きな時間に勝手にやるようになります。
高校までは規則がありますから、教師やルールに従わなければいけませんでしたが、成績がいいことで息子たちはそれを逸脱して自由を押し通してきたこともあります。家でも外でも言うことを聞かなくなった若者たちを、国家という大きな力で導いて欲しいと考えるのは、きっと私一人ではなかったはずです。
7月になって年間の学校教育期間が終わると、再び政府発表があり、高校新卒者と30歳間近の男性が優先に徴兵されることになりました。
高卒者は大学生活や就職を始めていない、ちょうど切れのいい時期だからです。その際、17歳で少し早めに卒業した若者は(本来なら18歳で高校卒業になるが、2000年前後は幼稚園の入園年齢を3歳に下げていたので、2+6+3+3制度だと17歳で卒業できる人も出てくる)、親の了解があれば参加できることになりました。
この夏に高校を卒業した者は、7月13日から17日までの4日間、全国の4ヶ所の受付センターに名前を登録するよう指示されました。首都アブダビの郊外にあるキャンプと、内陸アルアインの郊外にあるキャンプ、さらに奥深くルブアルハーリ砂漠の入り口にあるリワのキャンプ、そしてシャルジャにあるキャンプに全国から登録するのです。これは行くだけでも大変な作業でした。
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『アラブからこんにちは~中東アラブの未知なる主婦生活』
国際結婚して24年、アラビア湾岸にあるUAEから5人の子育て、地域活動、文化センター設立などを通して、アラブ世界を深く鋭く観察し、エッセイで紹介。
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