ここ1年で、欧州とりわけイギリス、フランスは40年以降、ガソリン車とディーゼル車の販売禁止を表明し衝撃を与えた。特に世界最大の自動車市場の中国が19年から各メーカーに対し、EVなど新エネルギー車を現地生産するよう規制をかける方針を示したため一気にEV車へのブームが広がっているのだ。
世界の調査会社によると15年度にはEVは370万台(3.4%)、外部電源から充電できるプラグインハイブリッド車は539万台(4.9%)とまだ少数派だ。ただアメリカのテスラ社はじめドイツのフォルクスワーゲン、BMW、仏ルノー・日産などの各社は次々と新車種の投入計画を公表している。各社の技術開発で急速充電や電池の改良、EVステーションの新設などが進めば「自動車産業は10年で過去50年の実績を越えよう」(仏ルノーのゴーン会長)と指摘されているほどだ。
世界の製造業は、これまで自動車と電機産業がリードしてきたが、今後は二大産業が一体化する大構造変化がおきようとしているのだ。日本ではこれまでハイブリッド車のトヨタがリードしていたが、日産がEVで中国市場に先乗りし、三菱自動車が量産EVアイ・ミーブを発売して追いかけている。
EVの発展は産業構造の変革、車デザインや売上高の変化など自動車、電機産業に大変化をもたしそうだ。(電気新聞 2017年9月29日)
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