「会社が従業員に守ってもらいたい事項」を自由に定めてよい「服務規程」。必ず定めなければならないものではないとされてはいますが、無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では著者で社労士の飯田弘和さんが、その重要性と盛り込むべき内容について記しています。
御社の就業規則には、服務規程の定めがありますか?
「服務規程」は、必ず定めなければならないものではありません。定めなくても構いません。ただし、社内秩序を保つためにも、是非、定めてください。定める事項は、「会社が従業員に守ってもらいたい事項」を、自由に定めて結構です。
ですから、就業中の「飲酒の禁止」や「就業中は職務に専念すること」を敢えて定めるような場合もあります(「当たり前でしょ!」が通用しない人も存在します。ですから、敢えて「当たり前」のことも定めておかなければなりません)。セクハラやパワハラの禁止を定める場合もありますし、「兼業の禁止」や「守秘義務規定」を定める場合もあります。
事業所内での「政治活動」や「無許可の組合活動」を禁じるものもあります。最近では、「パソコンの使用」に関する順守事項を、細かく定める事業所も多いと思います。要は、会社が、従業員に行って欲しくない行為を「禁止事項」として定めておくことが重要です。
逆に、「ぜひ、こんな事を行って欲しい」だとか、「このような働き方をして欲しい」などといったものを盛り込むことも可能です。これらを盛り込んだ定めをすることで、従業員の側は、会社の「価値観」や「経営理念」といったものを理解し、御社の従業員として相応しい振る舞いができるようになっていくと思います。
ですから、この「服務規程」については、御社の「経営理念」や「経営哲学」とよく照らし合わせ、矛盾する事がない様、そして、理念や哲学が従業員にしっかり伝わるような定めをすべきです。
この「服務規程」を「賃金制度」や「評価制度」とリンクさせることも有効です。「禁止事項」を行った者への懲戒処分も必要です。「信賞必罰」が、この「服務規程」の効果を発揮させるカギとなります。
以上を踏まえて、あらためてお聞きします。
「御社の就業規則には、服務規程の定めがありますか?」
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