賞味期限を崇拝する日本人と、消費期限でさえいい加減すぎる米国人

 

以前のオフィスビルの真横に、「アーミッシュ・マーケット」がありました。

アーミッシュとは、アメリカの郊外(というかド田舎)に住んで、文明機器を一切否定し、昔の自給自足スタイルで暮らす人々のこと。

その人たちの直送の農産物などを売っているのがアーミッシュ・マーケット。つまり、農薬も使わず、とにかく新鮮である、ということを売りにしているグロッセリーです。従来の保存食がメインのスーパーマーケットに比べて、鮮度が勝負!というコンセプトの、このマーケット。

そこの果物がしょっちゅう腐ってました。(笑)

もちろん賞味期限内のラベルです。 食べて、瞬間で吐き出す。明らかに腐ってる。

店長に文句を言うと、謝罪ひと言もなく「返金と、新しいのと交換。どっちがいい?」とそれだけ。

アーミッシュマーケットですら、こんな具合なので、従来のスーパーだと、あきらかに古く変色している野菜や、パックの中で割れている卵が売られているのは珍しい光景ではありません。

でも、大丈夫です。

僕が(もしくは、あなたが)買わなきゃいい、、、から。

本当にそんなスタンスなんです。 こっちの流通システムなんて。

買ったおまえが悪い!とまでは言わなくても、店サイドが謝罪することはないし、客もそれをわかっているのか、返金させしてくれれば、特別声を荒げてクレームを言うことはない。

世界中からの移民で出来たこの国のモットーは、結局のところ「自己責任」。

なので、うちの奥さんが前回の日本一時帰国でいちばん驚いたことは、埼玉の実家の近所のスーパーで、みんな商品をマジマジ凝視せずさっさっとカゴに入れていくことでした。

「みんな、お店を信用しきってるの!」と興奮気味で語る妻を、「あたりまえだろう!ここは日本なんだから」となだめました。

でも実は、僕個人はあまりスーパーに買い物に行く事がないことも含め、とりたてて、そのこと自体に不満を感じたことはありません。 (昨日の弁当、平気で食っちゃうしな)やっぱり、結局、視覚と嗅覚を駆使すれば事故は防げる、という思考になっちゃてるのだと思います。

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