EVは期待はずれ。東京モーターショーで中島聡が感じた本音

 

興味深いのは、これがAmazonの戦略と真っ向からぶつかる点です。AmazonはAlexaを家だけでなく、自動車にも普及させようと本気で取り組んでおり、Apple CarPlayやAndroid Autoと同じく、「誰が自動車のUXを提供するべきか」というとても重要な戦いが、自動車メーカーとの間で激化することになります。

一つ心配なのは、これがまだ「コンセプト・モデル」でしかない点です。人工知能の技術は、Googleを中心とした一部の企業で異常な勢いで進歩しており、自動車メーカーならば実用化に5年かかるようなことをGoogleならば6ヶ月で実現してしまう、という時代になっています。

特にテスラは、ソフトウェアのアップデートだけで、この手の機能を既存のドライバーに後から提供できてしまうインフラが整っている点が強みで、「2年おきのモデルチェンジ」というビジネスモデルの自動車メーカーとは、進化のスピードが根本的に異なります。

コンセプトモデルと実際に販売している車に大きなギャップがあり、相変わらず水素自動車のデモもしているトヨタのブースは、予想外の変化のスピードに悩んでいる自動車産業そのものを良く表しているように感じました。

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