また、論文では調査対象とした6社別の分析も行い、次のことがわかりました。
- 日本電気-忍耐力、計画力、批判精神などが重要
- 日立製作所-やる気、押し、社交性、闘争心などが重要
- 東芝-柔軟な考え、計画力、批判精神が重要。責任感はマイナスに作用
- 三井物産-交渉力、運への自信、体力などが重要
- 三菱商事-ほとんど関連なし。強いていえばモチベーション
- 日商岩井-ほとんど関連なし。強いていえば運への自信
統計分析では、N(分析する人数)が減ると有意になりづらいという特徴があります。
つまり、企業別にすると必然的に各々のNも減る。
それでも東芝だけ、有意に「責任感の高さはマイナス」という結果が示されたのは、昇進との関連性の強さを伺わせる結果と解釈できます。
東芝だけ。そう東芝だけが「責任感」がマイナスとは……。
その後の末路を予測している結果です。
当時の上司たちは“今”の東芝のゴタゴタをどんな風に見ているのでしょうね。
是非とも聞いてみたいところです。