ラーメンの幸楽苑が52店閉鎖へ。日高屋とどこで明暗が分かれたか?

 

そうしたなか、幸楽苑HDは、ステーキ店を展開するペッパーフードサービスとフランチャイズチェーン契約を結びました。福島市内にある幸楽苑を12月下旬に人気のステーキ店「いきなり!ステーキに転換するといいます。

「いきなり!ステーキ」は立ち食い形式のステーキ店で、リーズナブルな価格でステーキ料理を食べられることで知られています。駅前立地の店舗が多いため、気軽に利用できることも人気の理由の一つとなっています。

ペッパーフードサービスの業績は好調と言っていいでしょう。10月30日発表の17年1~9月期の連結決算は、売上高が250億円(今期より連結決算になったため対前年同期比は省略)、営業利益は16億8,600万円です。営業利益率は6.7%と高い数値を示しています。ちなみに、16年1~9月期の単独決算は、売上高が159億円、営業利益は6億2,800万円、営業利益率は3.9%となっています。

「いきなり!ステーキ」の出店は勢いが止まらない状況です。17年1~9月期には25店を新たに出店し、9月末の店舗数は155店にもなります。

幸楽苑HDとしては、勢いに乗る「いきなり!ステーキ」をフランチャイズ展開することで、落ち込んでいる業績を回復させたい考えです。ペッパーフードサービスとしては、飲食業界に精通している幸楽苑HDがフランチャイズ展開することで、出店に弾みをつけたい考えです。

今回の提携は、当面、両社に恩恵をもたらすことになるでしょう。ただ、幸楽苑HDは、本業の幸楽苑を立て直さなければ未来はないと言えます。「いきなり!ステーキ」は補完的な位置付けでしかありません。幸楽苑の不採算店舗の閉鎖を推し進め、店舗オペレーションを効率化し、利益率を高める必要があります。そして、メニューの強化が必要でしょう。これからが正念場と言えそうです。

image by: 幸楽苑 - Home | Facebook

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