3.「結果」とは?
厳しい競争にさらされるサラリーマンは常に結果を求められるようになりました。「結果を出せ」と上司から要求され、その上司はさらに上の上司から結果を求められ、企業組織全体が結果重視、結果主義におおわれる環境が一般化しています。
ではM-1やKOCでの結果とは何でしょう?
本来であれば優勝こそが結果であり、決勝戦まで進むこと自体が、現実にはとんでもない競争を勝ち上がったのものではあっても、優勝できないことには「結果が出せなかった」と見られるでしょう。
しかし結果とは単に順位だけでしょうか? これまでM-1やKOCで優勝し、今や名前すらも聞かなくなった芸人さんは多々います。優勝はたいへん意義のあることだし、実力含めたいへんな成果だといえます。一方で、芸能というマーケットで求められる「結果」がコンテスト優勝なのかという問題はどうでしょう。
ビートたけしさんはツービート時代、NHK新人漫才コンクールでダントツにウケたのに、優勝(最優秀賞受賞)したのは京丸京平だったと、ずっとネタにしていました。優勝だけが結果でない例はツービート時代からあったのです。
4.結果の設定こそすべて
売上や利益という結果で縛られるサラリーマンは厳しいものです。しかしこの評価結果とその達成基準について、どこまで認識しているでしょう。売上を上げるのは普通良いことでしょう。でもそれが目標や標準利益率を伴わないとしたら?
大きな取引を上げることはとても重要だと思いますが、それが偶然のラッキーパンチで決まるものだとしたら? 地道でも適正な利益を積み、しかも継続的に収益を上げる取引や仕組みが作れたとしたら? 何が評価されるのかは、その所属組織で求める結果設定が何であるかで決まります。
芸能界で売れ続けることはとんでもなく難しいことです。一発屋で話題になることすらできずに消えていく人たちが圧倒的に多い中、たとえ一発でもいいから当たりたいと思うのも当然だと思います。審査員みなが褒める中、上沼さんからボロクソに言われたという「結果」を、結果として生かして仕事をする。少なくとも注目を浴びる機会を得られたのであれば、その後どうしていくのか、単なる結果の順位だけで決まらないことをマヂカルラブリーのお二人は見せてくれているのではと、感じた次第です。
image by: にゃんこスター アンゴラ村長公式Twitter