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Tesla introduces new ‘Supercharger Fair Use’ policy to focus on long distance travel and deter commercial use

テスラは、Model S/Xのオーナーに対して、スーパーチャージャーでの充電を無料で提供しています(そのおかげで、私もSeattleからPalm Springsまで無料でドライブできました)。しかし、これを悪用して、UberやTesloopなどの商用利用が増えているため、それを少し制限しようという動きに出た、という話です。

確かにカリフォルニア州のスーパーチャージャーでは、Tesloopというロゴをつけて車が充電しているのを何度か見かけましたが、そんな商用車の利用が増えてしまうと、(本来の使い方である)長距離ドライブ中の一般の人が待たなければいけなくなる可能性はあり、私としては今回のポリシー変更は大歓迎です。

これはテスラのスーパーチャージャー・ネットワークの拡充計画とも関連していると思います。これまでは、高速道路沿線のみに設置し、市街地は避けて設置して来たため、商用利用は若干難しい面もありましたが、今後市街地にも増やすとなると、商用利用が増えることは目に見えています。

前にも触れましたが、このスーパーチャージャー・ネットワークが今後のテスラのビジネスにとっては重要な武器になり、それが電気自動車市場への参入障壁になると私は見ています。私の知り合いに日産のリーフを持っている人がいますが、日産はディーラーにしか充電設備を持っていないため、「長距離ドライブは実質的に不可能」だそうです。

image by: Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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