何か隠してないか。新幹線の「台車ヒビ割れ」事件で残る5つの謎

 

一番大きな疑問は、台車ばかりが疑われていますが、何度も前科のあるギヤボックスの不良が発端という可能性、そして他の理由もあるのではという点です。何と言っても、台車と車軸の間には「軸バネ」が介在します。ですから、多少のショックはバネが吸収してしまうからです。

そう考えると、(1)台車が金属疲労で破断その歪みが車軸を曲げてギヤボックスを破壊、というストーリーと、(2)ギヤボックスが破損車軸固着に近い異常な状況にその異常な力が台車に行って破断、というストーリーのどちらが可能性としてあるのか、どうも良く分かりません。(2)の方が現実的に思えますが、そうなるとモーターの異常など電気的なエラーが起きていて、どう考えても司令や運転台には分かるはずです。

ですから、依然として私個人としては「何かが当たってギアボックスと台車が同時に壊れた」という説を捨てられないのです。いずれにしても、詳細の発表が待たれます。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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