仕事に使える大和言葉 断るしかないときに
「やむなく」
やむを得ない、仕方がないという意味の言葉で、どうしようもない状況に使うことが多いのが「やむなく」です。例えば……。
都合や事情があり、参加や人からの誘いを断らなければならない。そんなとき、「どうしてもだめで」では説得力がなく、かといって「ちょっとその日は…」という曖昧な断り方もすっきりしません。そのようなときは、参加できない理由を挙げたうえで、「やむなく」を使うと、相手にも断る事情が伝わります。
社内行事と日程が重なっており、今回はやむなく欠席いたします。
「やむなく」を用いることで、「どうにも都合がつかないので、やむを得ず諦めた」という心情が伝わります。
断りを入れる場合も「やむなく」を使うことで、「残念ながら」という意味合いを添えることができます。
早々に定員に達し、やむなく申込みをお断りした次第です。
いろいろ事情があり、なんとかしたくてもどうにもできない状況を伝えるときに適した言葉が「やむなく」です。
※ 参考:「やむなく」と意味を同じくする言葉
「心ならずも」< 大和言葉の活用 >VOL.2724
仕事に使える大和言葉 目上の相手からもらうこと
「賜る」
人から何かをもらう場合、それが目上の相手からのときに使うのが「賜る」です。へりくだって相手を立てる謙譲語として用います。
この度は結構なお品を賜り、ありがとうございます。
このように贈答品のような形のあるものをもらったときに使うほか、目に見えないものをもうときも
このよう機会を賜り、心より感謝申しあげます。
来賓の佐藤様からお言葉を賜りたいと存じます。
このほか、客先に対しては「ご愛顧を賜り」、人との出会いには「ご縁を賜り」を使います。相手から自分には過ぎた言葉や心遣いをしてもらったときに、相手に対する敬意を込めて使うことの多い言葉です。式典や改まった席でも用います。
上司の指示や客先からの依頼を引き受けるときにお受けする、という意味で「承る」は、目上の相手からの命令を「受け」て「いただく」という意の「受け賜る」から生じた言葉です。
※ 参考:「もらう」の謙譲語 など
「くれる」「もらう」「あげる」<敬語の言い換え(4)>VOL.781
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