接待を受けたお遍路さんは、地元の人から受けた親切を絶対に忘れません。強く印象に残っています。人は、恩を受けると、恩を返したくなるものです。「返報性の原理」と言われ、人間が持つ心理のひとつです。
巡礼中は、たくさんの恩を受けても、恩返しをする時間がないので、お遍路が終わると、この恩を返さなければならないと考える人が多く、社会貢献をしたり、四国へ行って、接待する側にまわったりします。「おもてなしの心」が、人を介して社会に広がり、巡り巡っていくのです。
これは、ビジネスにも通じるものです。直接的に利益を追求するのではなく、おもてなしをすることで、やがて、恩返しとして戻ってくるのです。
恩返しを期待してはいけませんが、まずはお客さまを思いやり、「お接待」する気持ちで相対してください。
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