冷えた体を一気に温めてくれる料理といえば、何と言っても肉豆腐。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では著者でプロの料理人・gatugatu佐藤さんが、最近人気の肉豆腐をお店よりも美味しくいただける作り方をレクチャーしています。キモは「煮汁」。佐藤さんが料理店に勤めていた頃に身に付けた、まさに「秘伝」の割合です!
簡単! 美味しい肉豆腐
佐藤です。最近のレシピ本でよく見かけるのが「肉豆腐」。「定番料理になった」といっていいくらい煮物のカテゴリなどに載っています。濃口醤油の甘辛い煮汁に豆腐と肉、野菜などを入れて煮込むだけ。こういった煮物も寒い冬には欠かせない温かい料理の1つだと思います。ですが、これ、「煮汁の美味しさ」あってのイケテル料理。肉と豆腐をぶち込むだけと言っても煮汁が美味しくなければ、すべて美味しくない、ということになります。
そこで、おすすめしたいのがこの方法。先日「寒い夜だから…料理人お勧め、たった10分でできる牡蠣の変わり鍋」で伝授した、「牡蠣の玉子とじ鍋」。この料理の煮汁をちょっとだけ変化させるだけで、「肉豆腐」の煮汁として使えます。
【出汁6:酒1:みりん1:濃口醤油1】。すでに覚えて頂いていると思いますが、この煮汁の「出汁の割合」を「5」に変えます。【出汁「5」:酒1:みりん1:濃口醤油1】で、少し砂糖を加えます。これを鍋に合わせて、肉と豆腐をぶち込んでグツグツ煮込むだけで美味しい「肉豆腐」が作れます。煮込んでいると豆腐から水分が出て煮汁が薄くなるため、出汁の割合を「5」にしているのですね。すこ~し濃い味の煮汁にアレンジ。
【出汁6:酒1:みりん1:濃口醤油1】の煮汁は、出汁の割合を変えたり、甘味を足したりするだけで、いろいろと応用ができます。例えば、
- 親子丼などどんぶりのだし
- ひじきの煮物
- 里芋の煮っ転がし
- しいたけの佃煮
などなど、様々なアレンジが効きます。割合の煮汁を覚えて煮物料理を作れば失敗する事はほとんどなくなると思います。私自身、現役の時は8割以上の煮物料理に「割合の煮汁」を使って作っていました。常に美味しい。常に同じ味。だから、どんなお客さんが来店しても「このお店は旨い!」と思ってもらうことができる。そして、常連さんになってもらえていたわけです。
「肉豆腐」も「割合の煮汁」を使えば、いつも簡単に美味しい味で作って食べることができます。レシピのほうで確認してみて下さい。
レシピ
【材料】(1人前)
- 牛小間切れ肉…80g
- 焼き豆腐…1/2丁(150g)
- 春菊…1/3束
- 白ねぎ…1/2本
《煮汁》
【出汁5:酒1:みりん1:濃口醤油1】+砂糖
- 水…150cc
(カツオ出汁の素…2つまみ3本指) - 酒(清酒)…30cc
- みりん…30cc
- 濃口醤油…30cc
- 砂糖…小さじ3杯
(みりんなら大さじ2杯足して下さい)
1.白ねぎは、斜めに切込みを入れ(両面)、2.5cm幅に切ります。
2.春菊は、根元を切り落としよく洗った後、水気をきって二等分します。
3.焼き豆腐は4~6等分に切ります。
4.鍋に《煮汁》の調味料を合わせます。
5.沸騰したら、焼き豆腐、白ねぎ、牛肉を入れて再度沸騰してから、5~6分煮込みます。
6.最後に、春菊を加え3分焚いたら出来上がり。
7.粉山椒、一味唐辛子を加えると肉の臭みが抑えられ美味しくなります。
卵を加えても美味しいです。
焼き豆腐をもめん豆腐、厚揚げに変えても美味しくできますし、牛肉も豚肉、鶏肉で応用できます。是非、作ってみて下さい。