スプレッドに隠された手数料
580億円相当の仮想通貨を顧客の口座から盗まれたコインチェックが、それを現金で補填すると発表しました。そんな現金があることが驚きです。コインチェックの主たるビジネスモデルは、仮想通貨の売買時の手数料ですが、日々の取引高が事件前は一日300億円あったことを考えれば、十分に可能です。
私もコインチェックに口座を開いて知ったのですが、仮想通貨の取引所には、一般向けの「販売所」と、トレーダー向けの「取引所」があります。取引所では、株式市場と同じく、指値での売買が可能なので、スプレッド(買値と売値の差)はとても小さいのですが、販売所の方は、取引所が設定した価格での売買となるので、スプレッドが2~3%ほどあります。
このスプレッドは、実際には取引所が設定している手数料なのですが、どの取引所もこれのことを手数料とは呼ばず、平然と「手数料無料」と宣言しています。
これは消費者を騙す、かなり悪質な行為ですが、これは仮想通貨の取引所に限った話ではなく、日本の大手銀行も堂々とやっています。
上の画像は、三菱東京UFJ銀行の外貨預金の宣伝ですが、為替手数料のところには(1ドルあたり)50銭と大きく書いてありますが、下の注意書きを読むと、スプレッドが最大1ドルあたり2円あると書いてあります。つまり、片道で2円50銭、往復だと5円の手数料を取られることになるのです。
これは1ドル110円で計算すると4.5%にもなる手数料で、年利1.4%の外貨預金をすると、為替が動かなかった場合で、3.1%のマイナス金利になります。