なぜ世界中で暴れている中国人たちは中国国歌を大合唱するのか?

 

四川大地震の際、台湾は台湾人観光客救出のためにチャーター機を成都空港まで飛ばしました。しかし、中国人観光客が空港の滑走路に乱入して、台湾機が飛び立つことを阻止しました。その大義名分は、「同じ中国人なのに、台湾人だけが四川から逃げるのは卑怯で不公平だ」というものでした。しかし、文句を言うなら、北京中南海の国家指導者たちに言うべきです。

今年の1月28日にはイランのテヘラン空港で、20年来の大雪により滑走路が閉鎖され、中国人客約240人が空港で待機。一部の中国人乗客が興奮した様子で「中国!中国!」と叫び、顰蹙を買ったそうです。

このように、中国人が国歌や中国を叫ぶ背景には、習近平が大々的に唱える「中華民族の偉大なる復興」というスローガンがあることは間違いありません。習近平は一貫して、ナショナリズムを鼓舞してきました。

とはいえ、中国人に国家意識が芽生えたわけではありません。かつて孫文は、中国人を「バラバラの砂」と表現しましたが、近年の世論調査でも6割の中国人が「生まれ変わっても中国人にはなりたくない」と答え、金持ちになって中国から脱出することが「中国人最大の夢」なのです。

そのため、ことさら「中国を強調するのは、単に他者に不満をぶつける際の方便として使っているに過ぎません。最高指導者である習近平が唱えるスローガンだから、それを使えば問題ないだろうということで、自己中心的で勝手な振る舞いに愛国を利用しているのです。つまり「愛国無罪」(たとえ蛮行であっても愛国的行為は許される)です。

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