2.なぜそうなるの?
親の機嫌を損ねたくない、自分を認めてもらいたい、もっとかまって欲しいなどの理由からです。
親の顔色をうかがい、期待に応えようと自分の気持ちよりも親が求める「いい子」を優先するからです。
親が過干渉の場合、子どもは親の機嫌を損ねないよう親に従いがちです。そういう子どもは自分で選択する機会がありません。
親が全てやってしまうため、子ども自身は自分の存在価値を持てなくなります。
反対に親が自分に関心がない場合、気を引こうと親の機嫌をとったり、親に認めてもらおうと「いい子」を演じたりします。
気を使うため、空気を読む癖がつき、精神的に疲弊しやすくなります。
また、親の期待に沿わないと嫌われるという不安を持ち、指示通りに従う指示待ち人間になる可能性もあります。
そして、反発することができないので、他人の意見には同調しても自分の意見を伝えることが苦手です。
そのため、他人と対等な関係を築きにくいと言う問題が起きます。
ご相談のお嬢様は、こうしたことが重なって「いい子」に息切れしてしまったのかもしれません。
3.「いい子症候群」にさせないために
子どもに対する考え方を見直す必要があります。親であれば、子どもに対する思いや理想があるでしょう。
しかしその思いをそのまま子どもに押しつけることはよくありません。
子どもが親の思いをどう受け止め、どう行動するかが重要なのです。
子ども自身に選択させ、成功体験、失敗体験、達成感、挫折感を思う存分味わわせ、判断力を養い価値観を育てることが大切です。
既に兆候が出ている場合は、親が子どもへの態度を変えることです。
子どもを親の意に沿うように誘導するのではなく、子ども自身が物事を自分で決めるよう、その思考の柔軟性を回復させることです。
児童生徒はスクールカウンセラーなど、社会人ならば産業カウンセラーなどと相談しながら方針を立てることが早道です。
家庭教育アドバイス・・・そもそも「いい子」はいない
親にとって「理想のいい子」があるから、子どもは大人に嫌われまいと必死に演じてしまうのです。
そんな疲れるようなことを子どもにさせるのはやめましょう。
実像のない「理想のいい子」を目指して育てるのではなく、子どもの持つ無限の才能を伸ばすためのサポートをしましょう。
子どもの好きなこと、得意なことを伸ばすために親子で伴走していくことが、子どもの成長に必要です。
もし敢えて「いい子」ってなに?と尋ねられれば、「毎日を自分らしく元気に過ごす子ども」と答えます。
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