「5月病? そんなものは気合で吹き飛ばせる!」というような考えをお持ちの精神力の強い方、部下がいるなら要注意です。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、自身の過去の失敗を例に、「精神力の強い人の何気ない発言が部下を退職やうつ病に追い込む」という重いテーマについて記しています。
強い人の感覚で進めると
どんな世界にも、精神力が強い人はいます。
「私はこのくらい全然平気」
「別にどれだけ言われてもお客様のためになるんだから」
「成長のためなら何でも受け止めます」
たとえ、辛辣な言葉や、受け入れがたい事実でも、自分の成長やお客様のためになることであれば、指摘や不満を聞くことは厭わないという人です。これはとても素晴らしいことだと思います。
自分自身がどうこうという話よりも、お客様のため、店や会社のためになるのであれば、凹むようなことを言われてもいいという感覚は、そう簡単に身につくものではありません。そういう人は、ネガティブなことでも自分のものにして、どんどん成長していくことでしょう。
しかし、世の中の大半の人はそうではありません。指摘やダメ出しをされれば傷つくし、中には心が折れてしまって、もう先へ進みたくないと感じてしまう人もいます。このことは、決して忘れてはいけないことです。なぜなら、精神力の強い人の感覚で物事を進めると、そうではない人はついていけないからです。
「私はダメ出しされることで成長してきたから」という人が、その感覚のまま、周りにも後輩にも部下にもダメ出しをしていたらどうなるでしょうか。中には同じように精神力の強い人もいるかもしれませんが、大半の人たちはついていけないと感じてしまうでしょう。
時代が時代なだけに、パワハラと取られるかもしれませんし、場合によっては、本当に嫌になってしまって、仕事を辞めてしまうという人も出てきます。それで済むならまだしも、最悪の場合、うつ病など、取り返しのつかないことになるかもしれませんよね。
こういうことになっても、精神力の強い人は、「何でこのくらいで…」と感じてしまいます。でも、そうではありません。精神力の強い人の“このくらい”が、他の人にとっては、とてつもなく辛い、苦しいものになっている可能性は常に存在しているのです。