全てはシナリオ通り。森友疑惑で炙り出された「影の総理」の存在

arata20180405
 

森友学園に関する財務省の改ざん問題は、佐川宣寿前国税庁長官への証人喚問を経てもなお真相は明らかにならず、野党側は安倍昭恵首相夫人や今井尚哉(たかや)首相政務担当秘書官の証人喚問を求めています。その今井秘書官とは一体どのような人物なのでしょうか。元全国紙社会部記者の新 恭さんが、自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で彼の素顔と森友問題への「関与」について、あくまで推測の範囲内であるとことわった上で詳述しています。

財務省の森友隠ぺいは今井秘書官の指示だったのか

森友問題をめぐり、野党は安倍首相の政務担当秘書官、今井尚哉氏の証人喚問を求めている。

言うまでもなく疑惑の核心は安倍首相の関与だが、首相の意向をくみ、汚れ仕事の代行を引き受けているのが政務担当秘書官だとすると、今井氏が森友学園への国有地叩き売りと公文書改ざんの全貌を知っているという仮説は十分成り立つだろう。

「私や妻は関係していない」「指示はしていない」と安倍首相は言う。それはそうかもしれないが、代わりに今井秘書官が各省庁の官僚に命じ、それを総理の意向として受け止めた省庁が言われるがままに動くことはありうる話だ。

「今井ちゃんは本当に頭がいい。何を聞いてもすぐ答えが出るんだよ」

安倍首相はそのように今井氏をほめているらしいが、当然、官僚たちは総理の“今井依存症”を知っている。

首相が「改造内閣の目玉政策が欲しい」と言えば、今井氏がわずか3日で「一億総活躍社会」という答えを出した。政策というより空疎なスローガンだが、それこそが今井氏の真骨頂だ。アベノミクスを提言したのも今井氏とされている。

自分で考えるより、今井氏に問う方が早い。依存し操られる。国家トップの肖像の内部に秘められた構図だ。

小泉純一郎政権の政務担当総理秘書官、飯島勲氏も裏の権力者として恐れられる存在だった。

その著書『小泉官邸秘録』に次のような記述がある。

(総理の外遊日程について)私の了解なしに相手国との調整にはいったりしないように、外務省に厳命した。

総理がバックにひかえる秘書官という立場は、そもそも特殊だ。ふつうの秘書よりもはるかに忖度される度合いが強い。「外務省に厳命」という表現が示すように、おそろしく“上から目線”なのである。

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