竜馬も駆け抜けた路。京都・木屋町に幕末の志士の息遣いを聞く

 

木屋町通とさらに北に進み東西を走る御池通を横断すると、右側に桂小五郎と愛人・幾松の寓居跡があります。「幾松」は今でも当時の建物を改築して高級日本料理の店として有名です。

江戸時代に荷物を積んだ船が再現されている「一の舟入」まで来ると、ほぼ高瀬川の源流に着きます。近くにある二階建ての白壁の建物が島津製作所発祥の地で今は、「島津製作所 創業記念資料館」です。島津製作所が創業100年を迎えたのを記念して、創業間当時の社屋を資料館としてよみがえらせたのがこの資料館です。ノーベル賞受賞者・田中耕一さんのコーナーもあります。

島津製作所創業記念館の向かいに、「がんこ高瀬川二条苑」があります。居酒屋のチェーン店の一つなのですが実はこの場合、角倉了以の邸宅跡なのです。建物の奥にある広い庭園は、約400年前に角倉了以の別邸として建てられたものだとか。その後、明治の元勲・山縣有朋、第3代日本銀行総裁・川田小一郎などが所有した由緒ある場所なので一度訪れてみて下さい。

kyoto20180423-3image by: WikimediaCommons(江戸村のとくぞう)

庭の隅に茶室もあり、江戸時代を代表する作庭家で茶人の小堀遠州作の茶庭も残っています。広い庭には、滝や、早瀬、浅瀬などがあるのですが、実はこの流れが高瀬川の源流なのです。角倉了以は自分が開削した川の一番上流に邸宅を構えて庭の池にその水を引き込んでいたんですね。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

 

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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