さて、食料品が売られている3つのシチュエーションを書きましたが、ここからが本題です。3つのシチュエーションで見られる、「お菓子」を想像してみてください。
中にカスタードクリームや生クリームの入った、ふわふわなスポンジケーキがあるとします。1つめは、中の見える簡易な包装で、スーパーに並んでいるもの。2つめは、紙で個包装し、箱に整然と並び、土産物屋に並んでいるもの。3つめは、1つ1つ和紙で包装され、1つずつ箱に入り、それが桐の箱に詰められ、組み紐まで掛かっているもの。百貨店のギフトコーナーに、見本が置かれています。
それぞれ、300円、1,000円、5,000円で売られているとします。この3つ、中身がまったく同じものだとしても、誰が気づくでしょうか。売られている場所が違い、売り方も違っていれば、誰も疑問を持たずに買っていくでしょう。売る場所に合った“相場”なので、納得もしています。
5,000円のものを受け取った人も、“それなり”の佇まいのものなので、“それなり”に美味しいと感じます。人の味覚はかなりアバウト。雰囲気も味のうちなのです。
ここから考えられるのは、ものを売るなら、高くても売れる“売り方”をした方が得だということ。薄利多売は、メーカーや量販店に任せておけば良いのです。中小企業・個人商店は、“価値”を感じる“売り方”をすべきです。
image by: Shutterstock.com
ページ: 1 2