車がひいても割れないスマホケースを売り出した企業の巧みな戦略

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「象が踏んでもこわれない」というキャッチコピーで爆発的人気となった筆箱をご記憶の方も多いと思いますが、あれから数十年を経て、「車がひいても割れない」スマホケースが登場、話題となっていることをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、そんなスマホケースをリリースして勢いに乗る企業の戦略・戦術を徹底分析しています。

消費者の印象に残る

車でひいても割れないスマホケースをリリースして注目を集めている企業を分析します。

● モバイル端末用アクセサリーを製造販売するサンクレストがリリースした世界初の全面衝撃吸収iPhoneケース「IJOY

戦略ショートストーリー

スマホをよく落とす方をターゲットに「360°衝撃吸収の技術」に支えられた「落としてもスマホの画面が割れない壊れない」等の強みで差別化しています。

車でひいても割れない」というキャッチコピーのもと、実際に車でひいた動画をエビデンスとして配信することで、顧客から支持を得ています。

■分析のポイント

消費者の印象に残る

「車がひいても割れない」というキャッチコピーはインパクトがありますね。このキャッチコピーを見て思い出したコピーと商品があります。それは「象が踏んでもこわれない」というキャッチコピーで、爆発的に売れた商品なのですが、ご存知でしょうか。「サンスターアーム筆入(ふでいれ)」という商品です。思い出したといっても私が生まれる前の話ですから、ある書籍で紹介されていたのを思い出したのですが。

「サンスターアーム筆入(ふでいれ)」が「象が踏んでもこわれない」というキャッチコピーを実際にCMで流していたのは1960年代後半のようで、ピーク時には500万本も販売され、社会現象にもなったようです。キャッチコピーと実際に見せることをセットで考えることの重要性を示した事例だと思います。

「象が踏んでもこわれない」というキャッチコピーだけでもインパクトはありますが、ふで箱を象が踏んでいる様子や象に踏まれてもふで箱が壊れなかった映像を見せることでより、消費者の印象に残るはずです。「象が踏んでもこわれない」というキャッチコピーと映像のインパクトが大きかったからこそ、社会現象にまで発展したのだと思われます。

そして、サンクレストがリリースしたスマホケースも同様に「車がひいても割れない」というキャッチコピーと合わせて、実際にスマホケースを付けたスマホを車が引いた映像を配信することで、商品の特徴を消費者に印象付けています。耐衝撃スマホケースは競合も出していますので、より強いインパクトが必要だったと思われますが、サンクレストの売り方(キャッチコピー+映像)は、消費者にとって強く印象に残る好事例と言えると思います。

ちなみに、「サンスターアーム筆入」は現在も発売中で、約半世紀にわたり販売されているロングセラーとなっていますが、世界初の全面衝撃吸収iPhoneケース「IJOY」シリーズが今後、どのように拡がっていくのか注目していきたいです。

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