コンビニ業界の未来に対する見通しの甘さも指摘できそうです。デイリーヤマザキ(13年7月にヤマザキ製パンに吸収合併され「デイリーヤマザキ事業統括本部」に移行)の当時社長だった田嶋誠氏はコンビニ業界専門誌「月間コンビニ」の07年12月号で次のように述べています。
「コンビニ業態は、ニッチ市場もふくめると、1万店の出店余地があると推測する人もいる。私は1万店という数は難しいと考えている」
この発言からわかる通り、ヤマザキ製パンはコンビニの大規模展開には消極的でした。ただ、現状のコンビニ店舗数の状況に鑑みると、1万店の出店余地があったとする推測の方が正しかったといえます。大手3社は自社競合もいとわずに出店攻勢に打って出たことが奏功しました。山崎製パンも同様に出店攻勢を強めていれば、規模のメリットを享受できるほどの店舗網を構築することができたといえるでしょう。
6期連続で営業赤字が続く流通事業を抱えるヤマザキ製パン。メーカーが本分とはいえ、無駄に赤字を垂れ流す事業があっていい理由はありません。抜本的な改革が必要といえるでしょう。
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