目に青葉。静けさを取り戻した京都で、青もみじを愛でる旅へ

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葵祭も終わり静けさを取り戻した京都ですが、この時期こそ古都を訪れたいと言うのは、無料メルマガ『おもしろい京都案内』の著者で京都通の英学(はなぶさ がく)さん。英さんは今回、目に鮮やかで清涼感あふれる「青もみじ」の名所を紹介しています。

青もみじを味わう

真っ赤に燃える紅葉も美しいですが、真っ青(厳密には緑)に染まる青もみじも清涼感があっていいものです。葵祭が終わった新緑の季節は観光シーズンではないので、静かな時間を楽しめます。今回は紅葉の名所でもある南禅寺と塔頭・天授庵の青もみじをご紹介します。

歌舞伎の演目で天下の大泥棒・石川五右衛門が「絶景かな絶景かな」のセリフを発した南禅寺の三門からの青もみじはまさに絶景です。三門の上から見る緑に覆われた南禅寺の境内は、見事な美しさが広がります。やはり百聞は一見にしかず、一度は上って頂きたい場所です。

ただ階段がかなり急なので結構怖いです。ご年配の方はご無理のないようにお気を付け下さい。

ちなみにこの建造物の正式名称は三門」です。「山門」という漢字も見ますが、「三門」は仏教用語として用いられています。悟りに至るために通過しなければならない三つの門(空、無相、無作)の三解脱門のことです。

さて、南禅寺といえば有名なのは境内上部を貫いているれんが造りの「水路閣」を思い浮かべる方も多いでしょう。琵琶湖から京都市内に向けて流れる琵琶湖疎水がここ南禅寺を通っているのです。

kyoto20180528-1image by: 京都フリー写真素材

禅寺では「五山之上」という別格の格式を誇る南禅寺の境内に、明治時代に近代化を目的として天井橋を通してしまうというのは驚きです。京都人は新し物好きな一面もあるのでこのような風景も京都ならではかも知れません。鎌倉時代の禅寺とれんが造りの水路閣がしっくりと調和しているのが不思議ですよね。サスペンスドラマの舞台にピッタリな場所ですよね。

南禅寺の塔頭で有名なのは以心崇伝が住み、家康が祀られている金地院だと思いますが、紅葉の名所として名高いのは天授庵でしょう。

kyoto20180528-2image by: 京都フリー写真素材

文化人・教養人としても名高い細川幽斎(忠興の父)が再興したお寺です。枯山水と池泉回遊式の2種類の庭を有し、池には新緑が映り込み、幻想的な光景が広がります。紅葉の名所は青もみじの名所でもあるのでその素晴らしい眺めはこの時期も健在です。

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