父親はサラリーマンで母親は専業主婦がいい、一姫二太郎が理想的などなど、社会やメディアは勝手に「標準的な家庭像」を刷り込みます。その結果、一人っ子のお母さんは子育ての悩みが尽きないのです。これは、母子家庭や子だくさんのお母さんでも同じ。今回の無料メルマガ『子どもが育つ“父親術”』では、子どもを愛し一緒の時間を大切にしていれば、どんな事情を抱えた家庭でも大丈夫だと力説し、一人っ子家庭にエールを送っています。
一人っ子だけど…
読者の方からのご相談メールや、講演でお会いした方との話の中で、「うちは一人っ子なのですが…」と心配する声をお聞きすることがあります(どういうわけか、必ずお母さんです。ただ単にメールいただく方・講演でお会いする方にお母さんが多いからかも知れませんが)。
きょうだい間での経験がない、親に甘やかされやすい、などを理由として「一人っ子はちゃんと育たない」との通説を気にしているケースが多いようです。
中には、「ある子育て関連の“先生”から、『一人っ子というだけで病気だ』と言われて…」との体験をされたお母さんも。病気呼ばわりするなんて、トンデモナイ話です。
はっきりお伝えします。
一人っ子であることは、何も問題ありません。2人っ子も問題ありませんし、3人っ子でも5人っ子でも、男ばかり兄弟でも女ばかり姉妹でも、そのことに問題なんてある訳がない。
きょうだいの有無・人数は、その子の本質には関係ありません。その子を取り巻く環境の一部でしかないと、正しく理解しておきましょう。
そのことを理解したうえで、積極的に他の子と遊ぶ機会を作るなどの配慮をするのは、それはそれでOKです。
ただ間違っても、「うちは一人っ子だからお友だちと遊ぶ時間を確保せねば」との強迫的な意識だけは持たないようにしてくださいね。
一人っ子であることからは何も問題は起きませんが、強迫観念からは多くの問題が発生してしまいます。
私の個人的な考えですが、理屈を越えたところの信念として、「子どもは必要なモノ・経験を、必要な時に、ちゃーんと手に入れるものだ」と思っています(実は子どもに限らず、人生全般にそうだと思っているのですが)。
その点からも、一人っ子の「きょうだい経験不足」について心配する必要はないと思っています。
実際に、周囲の一人っ子たちを観察すると、実にうまい具合に他の子との関係の中で、そして親や周囲の大人との関係の中で、しっかり必要な経験を積んでいるのが分かります。
気にかけても良いのは、
- 大人からの手出し・口出しが多く受ける可能性があること
- “スキ”が少なくなりすぎる可能性があること
の2つくらい。
きょうだいがいてもいなくても同じことですが、子どもが子ども自身で何かを経験する時には、基本は「見守る」だけを心がけましょう。さらに、子どもの成長に応じて“スキ”を作ってあげられたら、言うことなしです。
今回は一人っ子について書きましたが、「きょうだいが多く、1人1人に充分に愛情を注げているか心配」「家庭の事情で父親と一緒に過ごす経験がない/ほとんどないが、ちゃんと育つだろうか」などのご相談にも、私の答えは同じです。
動かせない環境に対する心配は、すべて「心配する必要はない」。そして、「自分ができることにベストを尽くしていれば、大丈夫」と。
あなたの子どもは、あなたを選んで生まれてきています。そしてあなたの所に生まれてきて良かったと思っています。だから、あなたも「この子が生まれてきてくれたこと」を喜んで、一緒に過ごす時間を大切にすれば、それでいい。
あなたに、素晴らしい日々が訪れますように!
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