次に問題の老齢基礎年金→満額値の779,300円÷480ヶ月(20歳から60歳までの期間)×(保険料納付済期間344ヶ月+オの4分の3免除期間42ヶ月÷8×5+ウの7ヶ月÷3+キの全額免除29ヶ月÷2)=779,300円÷480ヶ月×(344ヶ月+26.25ヶ月+2.333…ヶ月+14.5ヶ月)=779,300円÷480ヶ月×387.083ヶ月(小数点以下3位まで含む)=628,445(1円未満四捨五入)。
※ 注意
学生納付特例免除期間の34ヶ月は年金額に反映しない。ただし、平成3年4月から平成12年3月までの学生免除は老齢基礎年金の3分の1に反映する。
よって、年金総額は老齢厚生年金720,752円+老齢基礎年金628,445円=1,349,197円(月額112,433円)。
さて、この男性は平成30年7月に気が変わって、過去の免除した期間の保険料を納めようと考えた。これを「追納」と言います。免除にしておくと本来の滞納期間2年1か月前までしか納める事はできませんが、免除にしておいたおかげで10年以内の免除期間まで遡って保険料を後で納付することができる。ただし原則として一番古い期間順から納める必要がある。任意に好きな場所を納められるわけじゃない。もし平成30年7月に追納したい場合は、平成20年7月以降の期間の分が対象となります。
で、追納したいわけですが、この男性は「オ」の4分の3免除の42ヶ月と「キ」の全額免除期間29ヶ月のみが追納できる期間。この部分を追納するとどうなるのか。追納すると保険料納付済み期間が344ヶ月から71ヶ月増えて415ヶ月になる。
追納した場合の老齢基礎年金→779,300円÷480ヶ月×(保険料納付済期間415ヶ月+ウの全額免除期間2.333…ヶ月)=677,557円となる。まあ5万円くらいは増えましたね!
なお、60歳から65歳までの60ヶ月は国民年金に任意で加入して更に老齢基礎年金を増やすことは可能(厚生年金加入中や年金の繰上げをしてしまった人は不可)。任意加入で60ヶ月支払ったら、老齢基礎年金は779,300円÷480ヶ月×(保険料納付済期間475ヶ月+ウの全額免除期間2.333…ヶ月)=774,970円まで増える(この記事では付加年金と国民年金基金は省いてます)。
※ 追記
国民年金保険料の免除は7月以降にやると直近2年1ヶ月以内の滞納期間と翌年6月まで未来に向かって免除になりますが、途中で取り消すことは可能。取り消した場合は取り消しの申し出をした月の前月分からの取り消しとなる。
なお、学生の場合は7月から翌年6月までというのではなく、4月から翌年の3月までが免除になるが途中で取り消した場合は年度ごとまとめて取り消す。
また、免除申請をする前に保険料をまとめて支払って割引を受ける「前納」をした場合は、免除申請をした月の前月以降の分の保険料が還付となる(平成26年4月からの取り扱い)。
単に毎月の保険料をいっぺんに払ったものは前納じゃなく早く支払ったものに過ぎないから対象外。例えば、4月に来年3月までの保険料を1年分まとめて「前納」したとします。で、7月に免除申請して承認されました。となると、6月分から来年3月分までの保険料が還付となる。
平成26年4月改正になるまでは、免除申請前に前納した場合は保険料の還付は不可だったが取り扱いがこのように改善された。
※ 国民年金保険料前納に関しては4月発行の有料メルマガバックナンバーにまとめたので購入したい方はお求めください。
● 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座Next(有料版)
image by: Shutterstock.com