道徳とは、より良く生きる道である。その道の未経験者には、考えさせてわかるところと、わからないところがある。
本質的には、未経験者にそこを判断する物差しが与えられればよい。その価値観の物差しを押し付けないでもてるようにせよ、という通達である。
ここが難しいのである。最初の物差しが、各家庭に任されている。本来共通にあるはずの「常識」が、個別化されている。
定言命法が機能しない所以である。「ならぬものはならぬのです」と言い切るのが難しい、多様な価値観の時代。道徳を教える難しさが、この辺りにありそうである。道徳について、もう少し考えていきたい。
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