イオンも逃げ出す「OKストア」の半端ない集客力

2018.07.09
 

顧客から圧倒的な支持、その理由は?

昨年9月20日に公益財団法人 日本生産性本部サービス産業生産性協議会が発表した、2017年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」のスーパーなど5業種を対象とする第3回調査で、オーケーは顧客満足が7年連続で1位を獲得した。スーパーマーケット主要26の企業・ブランドに関して、3ヶ月以内に2回以上会計を伴う利用をした、300人以上のインターネット・モニターによる回答を集計した結果である。調査期間は17年7月5日~8月7日。

しかもオーケーは6つの指標のうち、顧客満足、顧客期待、知覚品質、知覚価値、ロイヤルティといった5つの指標で1位となり準パーフェクトを達成。残りの1つ、推奨意向も3位と上位にランクされていた。つまり、顧客から圧倒的な支持を得ている。

この調査は、さまざまな視点の消費者購買意識調査があるうちの1つではあるが、それにしてもイオン、イトーヨーカドー、西友など名だたる全国展開の巨大チェーンを差し置いて、7年も連続で1位を継続しているのには感嘆してしまう。

オーケー販促広報室によれば、顧客満足度の高さの要因として、

品質に対しての価格の割安さ品揃えのこだわり正直さ。これらの方針を徹底しています。その継続した取り組みがお客様に認知されてきた結果と考えています」

と受け止めている。

スーパーで「競合店に対抗して値下げ」を導入するメリット

基本方針「高品質・Everyday Low Price」により特売日なしで、ナショナルブランドの商品は地域一番の安値の実現を目指している。

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2018年6月時点の西国分寺店チラシ

「万一、他店より高い商品がございましたらお知らせください値下げします」のポスターを店内に掲げており、実際に顧客からの情報提供により、値下げされた商品は、「競合店に対抗して値下げしました」と、値札などに明記されている。

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明確にされた「競合店に対抗して値下げ」の値札

競合店に対抗して値下げする売り方は、家電量販店では一般的だが、スーパーでは根付いているとは言い難い。というのは、一般的にスーパーは特売を行い特定日特定商品を思い切って割引して、売上をつくってきた。この特売に賛否両論があるものの、スーパーにとって成長エンジンであり、消費者も特売に期待して買物のスケジュールを組んできたのだ。

「高品質・Everyday Low Price」とは、そうした業界の今までのやり方への決別を意味している。メリットとしては、顧客が来店日によって損得の不公平感を持つことなく買物ができる、特売を告知する広告宣伝費が節約できる、過去の売上データから需要予測ができるようになり商品の在庫管理と自動発注が容易になる、といった効果がある。

つまり、不公平感解消とローコスト経営が同時に実現可能だ。その代わり、出店してすぐには集客が上がらず、売上が上がってくるまでに1年くらいかかるケースがあるのがデメリット

オーケーの強みは特にグロサリー(一般食品・雑貨部門)にある。確かな商品力を持つナショナルブランドに関する品揃えと価格の安さが、大きな顧客満足度を生み出している。客単価は顧客特性、地域特性によるが、全店平均約2700円となっている。

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