猛反対からの成功。一年中そうめんを売る専門店が繁盛するワケ

shop_20170508094918262
 

「夏の風物詩」のイメージが強いそうめんですが、夏のみならず年中提供するお店があります。出店する際は周囲の猛反対にあったそうですが、今や多くの顧客の支持を得るに至った理由はどこにあるのでしょうか。MBAホルダーの青山烈士さんが自身の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で、その驚きの戦略を紹介しています。

驚きを提供する

人気のそうめん専門店を分析します。

阿波や壱兆(そうめん専門店)

戦略ショートストーリー

そうめんが好きな方をターゲットに「オリジナルの出汁」や「あたらしいメニューの開発力」「顧客との関係性」に支えられた『そうめんが一年中楽しめる』等の強みで差別化しています。

日替わりの新メニューを提供し続けることで、顧客を飽きさせないとともに、そうめんが夏以外の季節でも楽しめることをアピールすることで、顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

驚きを提供する

多くの方にとってそうめんは夏に家で食べるものと認識していると思いますし、これが世間一般の常識といえるでしょう。暑い日が続いていますから、そうめんが食卓に並ぶ頻度もあがっているのではないでしょうか。

しかし、そのそうめんを「阿波や壱兆」は年中提供しているのです。

「阿波や壱兆」の創業者である田中氏はそうめん専門店を出店しようとしたときに多くの方に反対されたそうです。多くの方にとっての常識とかけ離れていますからね。当然と言えば当然でしょう。

その反対を押し切って出店したわけですから味への相当の自信があったのだと思われますし、そうめんを食べることが当たり前の世の中をつくるという覚悟のようなものを感じます。

その覚悟が表れているのがいままでに開発したレシピ数が400を超えていることです。このレシピが本にもなっていますが、そうめんのレシピを400以上も考案することは並大抵のことではないと思いますし、いまも増え続けていることはすごいとしか言えないですね。

そして、メニュー開発とともにすばらしい取り組みだと思うのが、常連客の好みだしの濃さを覚えていることです。これにより顧客の好みに合わせて出汁の濃さを調整して提供しているわけです。

顧客の好みに合わせて商品やサービスを提供するということは顧客に密着する戦略のセオリーともいえますが、実行することは簡単ではありません。「阿波や壱兆」は実行できているからこそリピート客がしっかりとついているのでしょう。

また、顧客の気持ちは移ろいやすいものですから、どんなに自分の好みをわかってくれていても足が遠のくこともあります。それを防ぐためのカギにもなるのが、メニュー開発によってもたらされる驚きが味わえることです。「阿波や壱兆」にいけば、新しいそうめんと出会えるという期待感が顧客にあるからこそ、季節を問わず、多くの方が来店しているのでしょう。

最近では姉妹店である「そうめん居酒屋壱兆庵」をオープンさせましたが、今後、どのような動きがあるのか注目していきたいです。

print
いま読まれてます

  • 猛反対からの成功。一年中そうめんを売る専門店が繁盛するワケ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け