「ネット通販は儲かるぞ」と参入した小売店が陥りがちなデカい罠

 

壁を乗り越えるには

それは、ネットショップの出店の仕方にあります。ネット販売で売上を伸ばしてきたお店は、楽天やヤフーやアマゾンといったモールに出店して業績を上げてきました。大手チェーンがショッピングセンターに出店して伸ばしてきたのと同じです。売上が拡大したのは、自分の力によるものではありません。他人の力によるものです。

そして、主導権はモールが握っています。ネットショップは売上を増やすために、サイトに目いっぱいの商品を出品していきました。モールの運営者は、品切れを許してくれません。すると、どうしても在庫を持たざるをえないです。

全部が売り切れるわけではないので、残った在庫がたまってしまいます。利益を削ってでも見切り処分をするしかありません。それに、在庫を持つには広い倉庫も必要です。その維持費がばかになりません。

また、モールの運営者はモール全体の売上を稼ぐために、勝手にセールを行います。出店者は、むりやりそのセールに付き合うしかありません。またまた利益が削られます。しかも、顧客データはモール側に保有されてしまっています。出店者が自由に使えないのです。

これらのことが大きな壁になって、地域のスポーツショップのネット販売が苦しくなっています。この壁を乗り越えるには、自社サイトでの販売に力を入れることです。そして、モールでの扱いを少しづつ減らしていくことです。

アメリカのスポーツチェーンの苦境は、ショッピングセンターという他人の力を借りたことにあります。ですから、ネットショップもモールという他人の力を当てにしないことです。

あなたのお店も、ネット販売で業績を上げるには楽な道を選んではいけませんよ。

■今日のツボ■

  • 米国のスポーツショップは、ネットショップの台頭で苦しんでいる
  • 一方、日本のネットスポーツショップが壁に当たっている
  • どちらも他人の力を借りて業績を伸ばしてきたからである

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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