中学になっても絵本は効果的
高学年や中学生になっても、意外と効果があるのが絵本である。この年代でも絵本から本好きになる子はいる。絵本といっても、大人も感動するような内容の深いものも少なくない。しかも、字が少ないから本になれていない子でも読める。
例えば、『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ作)は、生き方について考えさせてくれる物語だ。みんなに頼りにされていた賢い穴熊が、ある日亡くなってしまう。森の動物たちは、悲しみにくれながらも、穴熊の思い出を語り合ううちに心が癒されていく。
また、荒れ果てた地に木を一本ずつ植え、緑の森に蘇らせた男の物語である『木を植えた男』(ジャン・ジオノ作)もすばらしい。
宮澤賢治の童話の絵本もいいだろう。絵本が好きになって本を読むようになった子も多い。絵本は高いと感じるひとは、図書館でたくさん借りてくればいい。
大人が感動するこれらの絵本は、実は、小さい子にはあまり好まれないこともある(小さいころは、読んでいておもしろくて楽しい絵本が一番なのだ)。だが、その分、高学年や中学生などに好まれることもよくあるのだ。
初出「親力養成講座」日経BP 2010年2月4日
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