米中貿易戦争で強気の姿勢崩さずも、すでに敗北の軌道に乗る中国

 

習近平の独裁は、ソ連崩壊を繰り返さないため

ソ連共産党が91年に崩壊したとき、もっとも衝撃を受けたのが中国共産党だった。彼らはただちにソ連崩壊の理由を調べ、原因の多くをゴルバチョフ大統領の責任とみた。
(同上)

実をいうと、大変多くのロシア人も(おそらくプーチンも)「ゴルバチョフのせいでソ連は崩壊した」と考えています。私が90年、モスクワに留学したとき、メチャクチャ驚いたことが2つありました。1つは、ソ連人が、例外なく「親日」だったこと。2つ目は、日本で愛されていたゴルバチョフの人気が全然なかったこと。

中国は、ソ連崩壊から、どんな教訓を得たのでしょうか?おそらく「ゴルビーはリベラルすぎた」というのが、最大のものでしょう。それが、習近平の政策に影響していると考えられます。

ゴルビーは、民主化を進め、ソ連は崩壊した。それで習は、独裁化を進めている。ゴルビーは、言論自由化を進め、ソ連は崩壊した。それで習は、言論統制をますます強化している。ゴルビーは、国家の経済への介入を弱め、ソ連は崩壊した。それで習は、経済への介入をますます強めている。要するに、習近平はゴルバチョフと正反対のことをしている。といっても、それでうまくいくわけではなさそうです。

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