答えは「A」でした。本当に「人に親切にする」ことが、ダントツで効果が高いのです。でも、AとBは何となく似ている気がしませんか。
Aは、荷物を持ってあげたり、道を譲ったり手作りのお菓子をお隣に届けたり…相手に何か喜ばれることをする。Bは、空き缶を拾う、公園の清掃をするといった、どちらかというと、誰も見ていなくても、感謝されなくても、世の中のためになることを何かする。そんな違いがあります。
Bの、誰も見ていなくても、感謝の言葉がなくても、という無償の行為の方が高尚で、魂のレベルでは、AよりBの方が徳を積める行為のように思いますが、体がよい反応するのはAなのです。人とかかわり、人に感謝されることで、人は安心を感じ、ストレス物質を減らすのです。
「人に親切にする」「人に感謝されることをする」という行為には、それが、自分のためであっても効果があるのです。なぜなら、人に親切にすることで、間違いなく、相手との関係はその瞬間は良好になり、その人との良好な関係に脳が安心し、体によいホルモンを出すのです。人間の肉体は、神様の世界(魂の世界)より実利的にできていることにびっくりです。
また、世界中で行われている様々な実証実験の結果からみると、健康寿命によい影響を与えると言われる、「運動をする」「喫煙をしない」というようなことよりも、「人とのつながりがある」ことの方がダントツで効果が大きいことも紹介されていました。これらのことだけを見ても、人にやさしい「行為」や「口にする言葉」というのは自分自身のためにも大事なんですね。
これは、決して科学的な根拠がない精神論ではないのです。だから、自分の健康寿命を延ばすためであってもいいから、人にやさしい言葉を口にしたり、何かちょっとした手助けや人に喜んでもらうために少しの時間を使うことを意識してやってみませんか。1日、3つを目標に(これは、前述の実験時の課題です)!
さて、これを実行しようと思うと、必然的に人とのいいかかわりが生じます。小さなことでもいいのです。ベビーカーに道を譲る、道に迷っている人を見かけたら声をかける、マンションの掃除をしてくれている人に「ご苦労様」と声をかける…「ありがとう」や「笑顔」が返ってきそうなことが何かできそうですよね。
健康寿命を延ばすために、人に親切にすることをゲームだと思ってやってみる。それが結果的に孤立を防ぐ。孤立しないことが、健康に長生きすることにつながる。なんだか、すてきな循環だと思いませんか。しかも、まったくお金がかかりません(笑)。マンションの中でも挨拶運動を少し進めて、やってみませんか?
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