この記事も閲覧できない。いまロシアで起きている信じがたい現実

 

「日本で学ぶ!」と決意している少年

では、なぜ私は快適なモスクワを離れることになったのか

引っ越しを考え始めたのは、去年のことです。友人の商社マンは、奥さんロシア人で3人子供がいます。長男は10歳ぐらいなのですが、「日本で学ぶことを、自分で決意した」というのです。彼の両親(私の友人と奥さん)は仕事の関係で、一緒に日本にいけない。10歳の彼は、「一人でもいく!」と宣言しているそうで
す。私は驚いて、「なんで?」と聞きました。すると、友人の子は、「徴兵を嫌がっている」のだとか。

「徴兵…」

私も、当時2歳だった自分の長男の未来を考え始めました。ご存知のように、大国ロシアは戦争をすることが多い。ソ連崩壊後も、チェチェン内戦、ロシアーグルジア戦争(08年)、シリア内戦への介入、ウクライナ内戦への介入と、ずっと戦争しているイメージです。

もちろん、ロシアには戦争をする理由があるのですが、「私の息子が徴兵され戦場に行く」可能性を考えると複雑な気持ちになりました。(念のために書いておきますが、ロシアで義務づけられた徴兵期間は1年です。この期間に戦場に送られる可能性は高くありません)。

私の息子がもし、「お父さん自衛隊に入る!」といえば、だいぶ印象は違うでしょう。「がんばって日本国を守ってくれよ」ということはできると思います。しかし、彼がロシア軍人としてシリアでの戦争に行く。その時、私は「がんばってロシアの国益を守ってくれよ」とはいえないでしょう。

そういう私の「気持ち」以前の問題として、「軍内のいじめ」も心配です。「日ロハーフ」であることを理由に「組織的いじめ」が起これば、どうすることもできません。「空手をやらせておけばどうにかなる」という次元の話ではないのです。私は、商社マンの友人の話を聞き、「我が家の問題でもあるよな」と思いはじめました。

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