ネット規制で実害を受ける
そうこうしているうちに、ロシア国内の情勢が変わってきました。「ネット規制」が厳しくなってきたのです。どういうことでしょうか?
皆さん聞いていると思いますが、ロシアのメディア、特にテレビは、国が支配しています。テレビで、プーチン批判を聞くことは、決してありません。ところが、ネット内では、まったく「別世界」が存在しています。そこは、反プーチン勢力の天下なのです。
2018年3月の大統領選挙で、プーチンは予想通り圧勝しました。しかし、ネットの投票では、共産党公認候補のグルディーニンさんが、常に1位をキープしていた。これは、どういうことでしょうか?
テレビを見る年配層は主にプーチン支持。テレビを見ない、ネットから情報を得る若い層はグルディーニン支持。年配層は、年と共に天国に行き、若い(反プーチン)層は増えていく。政権が、「インターネット規制」に動き出すのは、当然の流れでした。
それで、私の仕事に実害が出始めたのです。たとえば、一時期「まぐまぐニュース!」が見られなくなった。「まぐまぐニュース」で自分の記事が見られなくなるのは、とても困ります。また、一時期アマゾンが見れなくなりました。アマゾンで、自分の本がどのくらい売れているのか、確認できない。ちなみに、ロシアで、LINEは禁止です。
まぐまぐニュースもアマゾンも、そのうち見られるようになりました。しかし、私は、ロシアの未来について考えてみた。「今後、ネットの規制はますます強化されていくことだろう。そうなると、仕事をする環境がますます悪くなっていく」
私が引っ越すことを決意した直接の理由は、「実害がではじめたから」なのです。
これからどうする?
というわけで、私はモスクワ在住ではなくなりましたが、皆さまにご迷惑をおかけすることはないと思います。これからも、メルマガを配信し、本を書き、ダイヤモンドオンラインやその他の媒体に記事を書いていきます。「これをきっかけにメルマガを有料にしよう!」とか、ありませんのでご安心ください。いままでどおり、「わけのわからない世界情勢」を「世界一わかりやすく」解説していきます。
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